15年ぶりに「国語」の本を手に取った
私は東大の理系学部を卒業し、その後ずっと金融業界で働いてきました。大学生のときに家庭教師として中学受験用に国語を教えた経験がありますが、それも15年以上前の話です。
それから受験などとはまったく無縁の日々を過ごしてきましたが、自分の子供が中学受験を控えるようになり、改めて中学受験の問題について見てみることにしました。
正直に言うと、最初は「まあ昔の感覚でなんとかなるだろう」と思っていました。でも、いざ中学受験の過去問を見てみると、その難しさに衝撃を受けました。算数の問題もさることながら、国語について言えば、大人でも頭を悩ませるような文章が普通に出てくる。これは親としても、ある程度の準備をしておかないとまずいなと感じました。
我が家は共働きなので、子供の勉強に使える時間は限られています。算数は塾でロジカルに教えてもらえるだろうと思っていますが、国語はどうか。「なぜその答えになるのか」「どう読めば正解にたどり着けるのか」といった論理的な解法について、親としても把握しておかないと、子供だけで太刀打ちできるのか不安でした。
そんな疑問を抱えながら、塾のテキストだけでなく市販の参考書も広く見てみることにしました。何冊も読んだ中で、「これは親として知っておいてよかった」と感じた5冊を紹介します。
選んだ基準
この記事で紹介する本は、次の3つの視点で選んでいます。
- 親が読んでも理解しやすいか — 専門的すぎず、共働きの合間に読める分量・内容であること
- 子供への声かけや見直しに活かせるか — 読んだあとに「こうやって子供に伝えよう」と具体的にイメージできること
- 体系的にまとまっているか — つまみ食い的な内容ではなく、一冊で全体像がつかめること
あくまで「専門家のおすすめ」ではなく、「同じように子供の受験に向き合っている一人の親として、読んでよかったもの」です。
読解力のサポートに役立った2冊
田代式 中学受験国語の「神技」(田代敬貴)
この本を一言で言うと、「国語の解き方に型がある」ということを教えてくれる一冊です。
私自身、かつて家庭教師をしていたとき、高校生向けの予備校の国語メソッドを中学受験に応用した経験があります。この本はまさにそれに近いアプローチで、国語を感覚ではなく論理で解く方法が体系的にまとまっています。
読解問題の解き方が具体的に書かれているので、親がまず読んで理解し、お子さんの見直しのときに「こういう考え方で解くといいよ」と声をかけるのに使えます。
国語が得意な子はもちろん、「国語はセンスだから」と考えている親御さんにこそ読んでほしい本です。
中学受験国語 文章読解の鉄則(井上秀和)
こちらは「鉄則」という形式で、読解のルールが一つひとつ整理されている本です。
この本の良いところは、物語文と論説文のそれぞれについて、「何に注目して読むべきか」が明確に書かれていることです。鉄則の形式なので、親子で「今日はこの鉄則を意識して問題を解いてみよう」というように、少しずつ取り組むことができます。
同じ著者の「塾技100」も評判の良い本ですが、そちらはかなり網羅的で分量が多い印象です。まずはこちらの「鉄則」で全体像をつかんでから、必要に応じて「塾技100」に進むのがいいと思います。
語彙・漢字のサポートに役立った2冊
中学受験国語の必須語彙2800
中学受験で出てくる語彙がこれでもかと詰まった一冊です。
この本を手に取ったとき、「こんなに知らない言葉があるのか」と正直驚きました。大人でも「あれ、これ正確に説明できるかな?」と思う言葉がかなりあります。
使い方としておすすめなのは、親が先にざっと目を通しておくことです。そうすると、お子さんが問題集を解いているときに「この言葉、わかる?」と聞いてあげられるようになります。日常会話の中で「今日は”疎外感”って言葉を覚えよう」と声をかけるきっかけにもなります。
一度に全部覚える必要はありません。塾のテストや模試のたびに、出てきた言葉をこの本で確認する——そんな使い方が現実的だと思います。
出る順「中学受験」漢字1580が7時間で覚えられる問題集(坂本七郎)
漢字は地道にやるしかない分野ですが、この本は「出る順」に整理されているのが大きなポイントです。
入試でよく出る漢字から順番に取り組めるので、限られた時間の中で効率よく学習できます。共働き家庭にとって、「全部やる時間はないけど、出やすいものから押さえたい」という現実的なニーズにぴったりです。
漢字学習は毎日少しずつの積み重ねが大事なので、朝の10分や寝る前の10分に数問ずつ進めるといった使い方がしやすい構成になっています。
親の関わり方のヒントになった1冊
金子式「声かけ」メソッド 最速の国語読解力(金子香代子)
ここまで紹介した4冊は「国語の内容そのもの」に関する本ですが、この本は少し毛色が違います。親がどう子供に声をかければ国語力が伸びるのか、という視点で書かれた本です。
正直なところ、国語の勉強で親子が衝突するのはよくあることです。「なんでわからないの」と言いたくなる場面は何度もあります。この本は、そういうときにどんな言葉をかければいいのか、具体的な声かけ例がたくさん載っています。
国語の知識を教える前に、まず親としての関わり方を見直す。その意味で、最初に読む一冊としてもおすすめです。
まとめ — まず1冊、親が読んでみることから
5冊を紹介しましたが、全部買って全部やる必要はまったくありません。
お子さんの課題がどこにあるかによって、選ぶべき本は変わります。
- 読解で点が取れない → まず「神技」か「鉄則」を親が読んでみる
- 知らない言葉が多い → 「必須語彙2800」で親子で語彙チェック
- 漢字を効率よく覚えたい → 「出る順 漢字1580」で頻出から攻める
- そもそも子供との関わり方がわからない → 「金子式 声かけメソッド」から
大切なのは、親がまず読んで、子供と一緒に取り組む姿勢を見せることです。「この本いいらしいよ、やっておきなさい」と渡すだけでは、なかなか続きません。
忙しい中で全部は難しくても、まず1冊。それだけでお子さんへの声かけが変わりますし、声かけが変われば勉強のやり方も少しずつ変わっていきます。
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