読解力の土台は「つなぎ言葉」にある
国語の読解問題で安定して点を取れる子と、そうでない子の違いはどこにあるのか。いろいろな要因がありますが、私が最も差がつくと感じているのが「接続語と指示語の処理能力」です。
接続語は文と文のつながりを示す道しるべ、指示語は前に出てきた内容を指し示す目印です。この二つを正確に読み取れるかどうかで、文章の理解度は大きく変わります。
地味なテーマですが、意識するだけで正答率が目に見えて上がる分野でもあります。
接続語の基本——「合図」を読み取る
主な接続語の種類
接続語にはいくつかの種類があり、それぞれが文章の展開を予告しています。
- 順接(だから、そのため、したがって):前の文の結果・結論がくる
- 逆接(しかし、ところが、だが):前の文と反対・対立する内容がくる
- 並列・添加(また、さらに、そして):前の文に情報を付け加える
- 説明・言い換え(つまり、すなわち、要するに):前の文を別の言葉で説明する
- 転換(ところで、さて、では):話題が変わる
- 例示(たとえば、具体的には):具体例がくる
入試で特に重要な2つ
数ある接続語の中で、入試問題との関連で特に重要なのは「しかし」と「つまり」です。
「しかし」の後には、筆者が本当に言いたいことがくる。 論説文では、一般的な考え方を述べた後に「しかし」と転じて、自分の意見を述べるパターンが非常に多いです。「しかし」を見つけたら、そこにアンテナを立てる癖をつけると、筆者の主張を見逃しにくくなります。
「つまり」の後には、まとめ・結論がくる。 長い説明が続いた後の「つまり」は、それまでの内容を一言で要約してくれるありがたい合図です。ここをチェックしておけば、内容の整理がしやすくなります。
指示語の基本——「何を指しているか」を特定する
指示語の種類
- こ系(これ、この、ここ):書き手の近く、直前の内容
- そ系(それ、その、そこ):少し前の内容
- あ系(あれ、あの、あそこ):遠い内容、共通認識のあるもの
入試で最も頻出なのは「そ系」の指示語です。「そのこと」「それ」「そうした」などが指す内容を正確に特定できるかどうかが、読解問題の正否を分けます。
指示語の指す内容の見つけ方
指示語が何を指しているかを見つけるには、基本的に直前の文〜数文前を見ることが原則です。
ただし、一文前とは限りません。段落全体の内容を指している場合もあります。見つけるコツは、指示語の部分に候補の内容を入れてみて、文意が通るか確認すること。
たとえば「そのような経験を通じて」とあったら、「そのような経験」に入る内容を前から探して、入れ替えて読んでみる。意味が通れば、それが正解です。
入試でよく出る設問パターン
パターン①:「下線部『そのこと』とはどういうことですか」
これは指示語の内容を答えさせる問題です。下線部の「そのこと」が指す内容を、前の文脈から特定して答えます。
ポイントは、指示語をそのまま使わずに、具体的な言葉で書き換えること。「それ」を「それ」のまま答案に書いてはいけません。
パターン②:空欄に入る接続語を選ぶ問題
「( )、筆者はこう考える」の空欄に入る接続語を選ぶ問題です。
解き方は、空欄の前後の文の関係を見ること。前の文と後の文が反対の内容なら逆接、同じ方向なら順接や添加、まとめなら説明、という具合に判断します。
パターン③:接続語の役割を説明する問題
「下線部の『しかし』はどのような役割を果たしていますか」といった問題。前の文と後の文の関係を説明する力が問われます。
家庭でできる練習法
接続語にマーカーを引く
塾のテキストや模試の問題文を使って、接続語にマーカーを引く練習をしてみてください。特に「しかし」「つまり」「たとえば」の3つに色を分けてマーカーを引くと、文章の構造が視覚的にわかるようになります。
指示語を具体的な言葉に置き換える
問題文を読むときに、「それ」「このこと」といった指示語が出てきたら、立ち止まって「何を指しているか」を確認する癖をつけます。
最初は時間がかかりますが、繰り返すうちに無意識にできるようになります。この力がつくと、読解のスピードと正確さが同時に上がります。
まとめ——接続語と指示語は読解の「道しるべ」
接続語と指示語は、筆者が読者のために置いてくれた「道しるべ」です。これを見逃さず正確に読み取れるかどうかが、読解力の基盤になります。
- 「しかし」の後に筆者の主張がある
- 「つまり」の後にまとめがある
- 指示語は前の内容を指している——必ず特定する
意識するだけで変わるポイントなので、次の模試からぜひ試してみてください。
