論説文・説明文の読み方 — 「話題」と「結論」をつかむ3ステップ

目次

論説文が苦手な子の共通点

「物語文はまだいいんだけど、論説文になると途端にできなくなる……」

こういう声は本当によく聞きます。論説文は、物語文と違って登場人物の気持ちを想像する必要がない分、一見シンプルに見えます。でも、だからこそ「何をどう読めばいいのかわからない」という子が多いのです。

論説文が苦手な子にはある共通点があります。それは、文章全体の構造が見えていないということです。

一文一文は読めている。でも、「結局この文章は何が言いたいの?」と聞かれると、答えられない。これは読めていないのではなく、読み方を知らないだけです。読み方さえ身につければ、論説文は物語文よりもむしろ得点しやすいジャンルになります。

論説文とは何か

まず、論説文とは「筆者が自分の意見(主張)を、根拠を示しながら読者に伝える文章」です。

入試で出題される文章には、大きく分けて「物語文(小説)」と「論説文・説明文」があります。説明文は事実を客観的に伝えるもの、論説文はそこに筆者の意見や主張が加わるものですが、中学受験では厳密に区別する必要はありません。どちらも「筆者が伝えたいことを読み取る」という点では同じ読み方が使えます。

ポイントは、論説文には「話題」「結論(主張)」「理由・具体例」の3つの要素があるということです。この3つをつかむことが、論説文を読み解くカギになります。

ステップ① 「話題」を見つける — この文章は何についての話か

文章を読み始めたら、まず最初に意識するのは「この文章は何について書かれているのか」です。

多くの論説文では、最初の1〜2段落で話題が提示されます。「〜について考えてみたい」「〜とは何だろうか」「近年、〜が問題になっている」といった書き出しがあれば、それが話題です。

たとえば、「現代の子どもたちは、自然の中で遊ぶ機会が減っている」という書き出しであれば、この文章の話題は「子どもと自然体験」だとわかります。

話題がわかると、「ああ、これから自然体験について何か意見を言うんだな」と予測しながら読めるようになります。この見通しを持てるかどうかが、読解のスピードと正確さに大きく影響します。

親子で見直しをするときは、まず「この文章、何についての話だった?」と聞いてみてください。ここがすぐに答えられるなら、読みの土台はできています。

ステップ② 「結論(筆者の主張)」を探す — 結局、何が言いたいのか

話題がわかったら、次に探すのは「筆者が一番言いたいこと」です。これが結論であり、筆者の主張です。

結論は、文章の最後のほうに書かれていることが多いです。特に最終段落は要チェックです。

目印になる言葉があります。

  • 「つまり」「このように」「したがって」 — それまでの議論をまとめて結論を述べるサイン
  • 「〜べきだ」「〜なければならない」 — 筆者の意見・主張を直接表現する言い方
  • 「〜のではないだろうか」 — 一見やわらかい表現ですが、これも筆者の強い主張であることが多い

たとえば文章の最後に「だからこそ、子どもたちには幼いうちから自然の中で遊ぶ経験が必要なのではないだろうか」と書いてあれば、これが筆者の結論です。

ただし注意点があります。結論が文章の冒頭に来るパターンもあります。「私は〜だと考える」と最初に主張を述べてから、その根拠を並べていく構成です。慣れてきたら、「結論が先か後か」を意識しながら読めるとさらに力がつきます。

ステップ③ 「理由・具体例」を整理する — なぜそう言えるのか

結論がわかったら、最後に「なぜ筆者はそう主張しているのか」を整理します。

論説文では、結論を支えるために必ず理由や具体例が書かれています。これを正しく読み取れるかどうかが、設問で問われるポイントです。

手がかりになるのは接続語です。

  • 「なぜなら」「その理由は」 — 理由がこれから述べられるサイン
  • 「たとえば」「具体的には」 — 具体例が続くサイン
  • 「しかし」「一方で」「ところが」 — 反対意見や対比が来るサイン。筆者がこの後に自分の主張を強調するために使うことが多い

特に「しかし」の後ろは重要です。「Aという考え方もある。しかし、私はBだと思う」という構成では、「しかし」の後ろに筆者の本当の主張があります。接続語に線を引く習慣をつけるだけで、文章の構造がグッと見えやすくなります。

親の声かけ — 見直し時の3つの質問

お子さんが論説文の問題を解いたあと、次の3つの質問をしてみてください。

  1. 「この文章、何についての話だった?」 → 話題がつかめているかの確認
  2. 「筆者は結局、何が言いたかったと思う?」 → 結論(主張)を把握できているかの確認
  3. 「なんでそう言えるの?理由は書いてあった?」 → 理由・根拠を整理できているかの確認

この3つに答えられれば、文章の骨格はつかめています。逆に、どれかが曖昧なら、そこが弱点です。答えを教えるのではなく、「もう一回、最後の段落を読んでみようか」と、文章に戻るきっかけを作ってあげてください。

まとめ — 話題→結論→理由、この順番で整理する

論説文の読み方は、実はとてもシンプルです。

  1. 話題を見つける — 「何についての文章か」を最初につかむ
  2. 結論を探す — 「筆者が一番言いたいこと」を見つける
  3. 理由・具体例を整理する — 「なぜそう言えるのか」を確認する

この3ステップを意識するだけで、論説文の読み方は大きく変わります。

大事なのは、一度にすべてを完璧にやろうとしないことです。まずは「話題」と「結論」だけでも意識する。それだけで、「何が書いてあったかわからない」という状態からは確実に抜け出せます。

国語の論説文は、正しい読み方を知れば、安定して得点できるジャンルです。お子さんと一緒に「話題は何?」「結論は?」と声をかけ合いながら、少しずつ読み方の型を身につけていきましょう。


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この記事を書いた人

東大理系学部卒。金融機関勤務。共働き、子供3人。
大学時代に中学受験国語の家庭教師を経験し、予備校の論理的読解メソッドを小学生向けに応用。
15年以上のブランクを経て、自分の子供の中学受験をきっかけに再び国語と向き合う。
ChatGPT・Claude・Geminiの有料プランを使い分け、記述添削や語彙学習にAIを活用中。「理系パパ × AI × 国語」の視点で、忙しい共働き家庭でも実践できる学習法を発信しています。

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