「答えはウだと思ったのに、正解はエだった……」
選択肢問題で悔しい思いをしたこと、お子さんにもあるのではないでしょうか。
選択肢問題は、国語のテストで最も出題数が多い形式です。
ここで安定して点が取れるかどうかが、全体の得点を大きく左右します。
でも、多くの子供が間違えるのには理由があります。
「正しい答えを選ぼう」としているからです。
実は、選択肢問題には逆の発想が必要です。
正しいものを選ぶのではなく、間違っているものを消していく。
これが「キズ探し」というテクニックです。
今回は、この「キズ探し」の考え方と具体的なやり方をお伝えします。
選択肢問題で間違える子の3つのパターン
まず、選択肢問題でよく間違える子には共通するパターンがあります。
パターン①:選択肢だけを見比べている
本文に戻らず、選択肢同士を見比べて「なんとなくこっちかな」と選んでしまう。
これは最も多いパターンです。
選択肢は本文の言葉を巧みに使って作られているので、選択肢だけ見ていると、どれも正しく見えてしまいます。
パターン②:自分の感覚で選んでいる
「常識的に考えてこうだろう」「自分だったらこう思う」という理由で選んでしまう。
でも、受験の国語で問われているのは「あなたがどう思うか」ではなく、「本文に何が書かれているか」です。
自分の感覚ではなく、本文の記述が唯一の根拠です。
パターン③:本文にないことを正しいと思い込む
本文の内容から連想して、「こういうことも言えそうだな」と思い込んでしまう。
これは「連想ゲーム」のような状態です。
本文に書かれていないことは、どんなにもっともらしくても不正解です。
お子さんがどのパターンに当てはまるか、テストの間違いを見るときに意識してみてください。
パターンがわかれば、対策が見えてきます。
「キズ探し」の基本ルール
では、選択肢問題をどう解けばいいのか。
答えは、「正しいものを選ぶ」のではなく、「キズのあるものを消す」です。
なぜ「消す」のか
選択肢は4つか5つあります。
正しいものを1つ選ぼうとすると、どれも正しく見えて迷います。
でも、間違いを探すほうが、実はずっと簡単なのです。
なぜなら、間違っている選択肢には必ず「キズ」——つまり、本文と合わない部分——があるからです。
問題を作る人は、わざとキズを仕込んでいます。
そのキズを見つけて×をつけ、消していく。
最後に残ったものが正解です。
最重要ルール
「本文に書いていないものは×」
これが選択肢問題の大原則です。
どんなにもっともらしいことが書いてあっても、本文に根拠がなければ×です。
逆に言えば、正解の選択肢は、言い換えなどで表現を変えているものの、必ず本文の内容と一致しています。
この原則を徹底するだけで、選択肢問題の正答率は変わります。
キズ探しの具体的な手順
ここからは、実際にどうやってキズを探すのか、手順をお伝えします。
手順①:選択肢を区切る
選択肢の文章は、1文が長いことが多いです。
そのまま読むと、どこが正しくてどこが間違っているのか判断しにくい。
そこで、読点(、)の位置でスラッシュ(/)を入れて区切ります。
たとえば——
「太郎は友達の言葉に傷つき、/家に帰ってからも気持ちが晴れず、/母親に気づかれないように部屋で泣いた。」
こうやって区切ると、パーツごとに○か×かを判断できます。
手順②:パーツごとに本文と照らし合わせる
区切ったパーツを1つずつ、本文の内容と合っているか確認します。
- 「太郎は友達の言葉に傷つき」→ 本文に書いてある? → ○
- 「家に帰ってからも気持ちが晴れず」→ 本文に書いてある? → ○
- 「母親に気づかれないように部屋で泣いた」→ 本文に書いてある? → ×(本文では「居間で泣いた」)
このように、パーツごとに○×をつけていきます。
手順③:×がついた選択肢を消す
1つでも×がついたら、その選択肢にはキズがあります。
キズのある選択肢を消していきます。
手順④:最後の2つに絞ったら、差異に注目する
消去法で2つまで絞れたら、その2つの違っている部分に注目します。
2つの選択肢で異なっているパーツだけを比べて、どちらが本文の内容と合っているかを確認する。
ここが最後の判断です。
焦らず、本文に戻って確認してください。
親の声かけと練習法
選択肢問題の力は、テストの間違い直しで伸ばすのが最も効果的です。
声かけのポイント
間違えた問題を一緒に見るとき、こう聞いてみてください。
「この選択肢、どこがおかしいかな?」
正解を教えるのではなく、キズを探させるのがポイントです。
もう1つ、効果的な問いかけがあります。
「本文のどこに書いてあった?」
正解の選択肢を選んだ根拠を、本文の中から指し示させます。
「なんとなく」ではなく、「ここに書いてあるから」と言える習慣がつけば、選択肢問題は安定します。
間違いの振り返り方
お子さんが選択肢問題を間違えたとき、原因は大きく2つに分かれます。
① 根拠の場所を間違えた — 本文の違う部分を根拠にしてしまった
② 選択肢の判断を間違えた — 根拠は正しかったが、選択肢の読み取りでミスした
どちらが原因かを確認するだけで、次に何を気をつければいいかが明確になります。
解答解説には「正解の根拠」が書いてあるので、お子さんの根拠と比べてみてください。
付箋メモの活用
間違い直しのあと、気づいたポイントを付箋に一言書いて、机の前に貼っておく。
「本文に書いてないものは×」
「最後の2つは違いを比べる」
こうした短いメモが目に入るだけで、次の問題に取り組むときの意識が変わります。
塾の指導が第一優先です
お子さんが通っている塾の指導を、常に最優先にしてください。
塾で選択肢問題の解き方を教わっている場合は、そちらに従ってください。
このブログでお伝えした「キズ探し」は、塾の指導と矛盾するものではなく、家庭で補助的に意識できるポイントとしてご活用ください。
まとめ
- 選択肢問題は「正しいものを選ぶ」のではなく「キズのあるものを消す」
- 最重要ルール:本文に書いていないものは×
-
選択肢は読点で区切り、パーツごとに○×をつける
-
間違い直しでは「どこがおかしい?」「本文のどこに書いてある?」と聞く
選択肢問題は、センスではなく技術で解ける問題です。
「キズ探し」の習慣がつけば、安定して得点できるようになります。
「なんとなく選ぶ」から「根拠を持って消す」へ。
この発想の転換が、お子さんの国語の点数を変えていきます。
※解く力をさらに伸ばすために参考になる書籍は、別途「おすすめ教材」カテゴリでまとめる予定です。
