記述問題が書けない子への処方箋 — 白紙をなくす5つのステップ

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記述が白紙になる子は、実は多い

模試やテストの結果を見て、記述問題が白紙のまま返ってきた——そんな経験はありませんか。

「わからなかった」とお子さんは言うかもしれません。でも、よく話を聞いてみると、まったく何も考えていなかったわけではない。なんとなく「こういうことかな」とは思っていたけど、それをどう書けばいいかわからなかった、というケースがとても多いのです。

記述問題が苦手な子の多くは、読解力がないのではなく、書き方の型を知らないだけです。型さえ身につければ、白紙で出すことはなくなります。そしてここが大事なのですが、記述問題には部分点があります。完璧な答えでなくても、書けば点がもらえる。白紙はゼロ点ですが、何か書けば1点でも2点でも積み上がるのです。

なぜ白紙になるのか

記述問題で手が止まってしまう原因は、大きく3つあります。

① 完璧に書こうとしてしまう

「ちゃんとした文章で書かなきゃ」と思うあまり、最初の一文字が書けない。模範解答のような完成度を目指してしまい、結果として何も書けない。

② 何を聞かれているかがつかめていない

設問をざっと読んだだけで、何を答えればいいのか正確に理解できていない。「気持ちを書くのか」「理由を書くのか」がぼんやりしたまま、本文に戻っても手がかりが見つけられない。

③ 本文の言葉をそのまま使っていいことを知らない

「自分の言葉で書かなければいけない」と思い込んでいる子が多いです。でも実際には、本文中の表現を使って答えることはまったく問題ありません。むしろ、本文の言葉を的確に引用して使えることが評価されます。

ステップ① 設問を読み、何を聞かれているか確認する

記述問題に取り組むとき、最初にやるべきことは本文に戻ることではありません。まず設問をしっかり読むことです。

設問には、答え方のヒントが含まれています。

  • 「〜の気持ちを答えなさい」→ 感情・心情を書く
  • 「〜の理由を説明しなさい」→ 原因・根拠を書く
  • 「どういうことですか」→ 傍線部の内容を言い換える

何を聞かれているかがわかれば、本文のどこを探せばいいかも見えてきます。お子さんが記述で手が止まっているときは、「まず、何を聞かれてる?」と声をかけるだけで動き出すことがあります。

ステップ② 本文から答えの根拠を探す

何を聞かれているかがわかったら、次に本文から答えの手がかりを探します。

最も重要な原則は、答えは本文の中にあるということです。自分の頭で想像して書く問題ではありません。

手がかりを探すコツは、傍線部の前後をていねいに読むことです。特に傍線部の直前の2〜3文には、理由や背景が書かれていることが多いです。傍線部の直後にも、補足的な説明が続いている場合があります。

傍線部から離れたところに根拠がある場合もありますが、まずは前後を重点的に確認する習慣をつけましょう。

ステップ③ 本文の言葉を使って、短く書いてみる

根拠が見つかったら、いよいよ書く段階です。ここで大事なのは、最初から長い文章を書こうとしないことです。

まずは1文でいい。本文の中から使える表現を拾って、短く書いてみる。

たとえば、「主人公はなぜ泣いたのですか」という設問に対して、本文に「ずっと我慢していた気持ちがあふれ出した」と書いてあったなら、「ずっと我慢していた気持ちがあふれ出したから。」と書くだけで、立派な解答になります。

自分の言葉で言い換えようとして的外れになるよりも、本文の言葉を正確に使って書くほうが、ずっと得点につながります。

ステップ④ 設問の形に合わせて文末を整える

書いた答えの文末を、設問に合わせて整えます。これだけで答えの完成度がぐっと上がります。

コツはシンプルで、設問の聞き方をそのまま文末に反映させることです。たとえば「なぜですか」と聞かれたら、答えの最後は理由で終わるように書く。「どんな気持ちですか」と聞かれたら、気持ちの言葉で締める。設問が求めている形に合わせるだけで、的外れな答えになりにくくなります。

お子さんが記述を書いたあとに、「最後の部分、聞かれてることに合ってるかな?」と声をかけるだけでも効果があります。

ステップ⑤ 書いた答えと模範解答を比べる

記述力を伸ばすうえで最も大切なのは、実はこのステップです。

答え合わせのときに、自分が書いた答えを消さずに残したまま、模範解答と見比べる。何が足りなかったのか、どの要素が抜けていたのかを確認する。

大事なのは、自分が書いた答えを消さないことです。消してしまうと、どこが間違っていたのかが振り返れなくなります。自分の答えを残したまま、模範解答と横に並べて見比べる。「自分の答えには何が足りなかったのか」「どの要素を入れ忘れていたのか」を確認する。この比較作業が、記述力を伸ばす一番の近道です。

もし模範解答と自分の答えがかなり違っていた場合は、模範解答をじっくり読んでみてください。「この答えは、こういう組み立て方をしているんだな」と、正解の構造を意識するだけでも力がつきます。

この見直しは親子で一緒にやるのがベストです。「ここまでは合ってるね。あとこの部分が書けていたら満点だったね」と、できている部分を認めながら進めてください。

親の声かけ — 「全部書けなくていい」と伝える

記述問題に対するお子さんの心理的なハードルを下げることが、親にできる最大のサポートです。

  • 「全部じゃなくていいから、わかるところだけ書いてみよう」
  • 「白紙だと0点だけど、何か書けば点がもらえるよ」
  • 「本文の言葉をそのまま使っていいんだよ」

完璧を求めず、「まず書く」ことを応援する。これだけでお子さんの記述に対する姿勢は変わってきます。

まとめ — 白紙ゼロが最初の目標

記述問題の攻略をまとめると、次の5ステップです。

  1. 設問を読む — 何を聞かれているかを確認する
  2. 根拠を探す — 傍線部の前後から手がかりを見つける
  3. 短く書く — 本文の言葉を使って、まず1文書いてみる
  4. 文末を整える — 設問の形に合わせて「〜から」「〜気持ち」で締める
  5. 模範解答と比べる — 足りなかった要素を確認し、青ペンで解き直す

最初の目標は、「白紙をゼロにする」こと。100点の答えを目指す必要はありません。部分点を1点ずつ積み重ねる意識が、やがて大きな得点力につながります。

記述問題は、書けば書くほど上達します。まずは「何か書いてみよう」から始めましょう。


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この記事を書いた人

東大理系学部卒。金融機関勤務。共働き、子供3人。
大学時代に中学受験国語の家庭教師を経験し、予備校の論理的読解メソッドを小学生向けに応用。
15年以上のブランクを経て、自分の子供の中学受験をきっかけに再び国語と向き合う。
ChatGPT・Claude・Geminiの有料プランを使い分け、記述添削や語彙学習にAIを活用中。「理系パパ × AI × 国語」の視点で、忙しい共働き家庭でも実践できる学習法を発信しています。

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