模試のたびに「時間が足りなかった」と言うお子さんは多いのではないでしょうか。
帰ってきて答案を見ると、最後の大問がほぼ白紙。「読むのが遅かったの?」と聞くと、「途中の問題で考え込んじゃって……」と。実力的には解けるはずの問題を、時間切れで落としている。これは非常にもったいない状況です。
国語のテストで最後まで解ける子と解けない子の差は、実力の差だけではありません。時間の使い方の差です。時間配分は戦略であり、意識すれば誰でも改善できます。
時間が足りなくなる3つの原因
原因①:本文を何度も読み返している
設問を解こうとするたびに本文に戻り、最初から読み直してしまう子がいます。これでは1つの大問に膨大な時間がかかります。
対策は、最初に本文を読むときに段落ごとの内容を簡単に頭に入れておくこと。「この段落は筆者の体験」「この段落は主張」のように把握しておけば、設問を解くときにどこを見ればいいかすぐにわかります。
原因②:記述問題に時間をかけすぎている
「完璧な答えを書こう」として何度も書き直す子は、記述1問に10分以上かけてしまうことがあります。
記述問題は1問5分が目安です。5分で書けなければ一旦飛ばして、先に進みましょう。最後に時間が余ったら戻ればいい。白紙で出すのが最もったいない。部分点を狙って何か書くほうが、完璧を目指して時間切れになるよりずっとましです。
原因③:解く順番を考えていない
1ページ目から順番に解いている子は、それだけで損をしている可能性があります。
国語のテストは、大問によって難易度も配点も時間のかかり方も違います。戦略的に解く順番を決めるだけで、得点は変わります。
時間配分の基本戦略
まず全体を見る(1〜2分)
テストが始まったら、いきなり解き始めるのではなく、まず全体をざっと見ましょう。
- 大問はいくつあるか
- 読解の文章は何本あるか
- 記述問題はどこにあるか
- 漢字・語彙の知識問題はあるか
全体像を把握してから解き始めるだけで、ペース配分が格段によくなります。
知識問題を先に片付ける(5分以内)
漢字・語彙・四字熟語などの知識問題は、考え込んでも答えが変わりません。知っているか知らないかの問題です。最初にさっと解いて、確実な点数を確保しましょう。わからないものは潔く飛ばして、読解に時間を使うのが賢い選択です。
読解問題は大問ごとに時間を決める
試験時間から知識問題と見直しの時間を引いた残りを、読解の大問数で割る。これが1つの大問にかけられる時間の目安です。
たとえば、試験時間50分のテストで大問が3つなら:
– 全体確認:2分
– 知識問題:5分
– 見直し:3分
– 読解に使える時間:40分 → 1大問あたり約13分
この目安を持っているだけで、「今、時間を使いすぎている」という感覚が生まれます。
読むスピードの目安
中学受験の国語では、本文の長さが3,000〜5,000字程度の問題が多く出ます。
6年生の目標としては、1分間に400字程度のスピードで内容を理解しながら読めると、時間に余裕が持てます。5,000字の文章なら約12〜13分で読める計算です。
ただし、読むスピードを無理に上げようとするのは逆効果です。雑に読んで内容が頭に入らなければ、結局設問を解くときに何度も読み返すことになり、かえって時間がかかります。正確に読んで読み返さないのが、結果的に最も速い読み方です。
家庭での練習法
過去問をタイマーで解く
家庭で過去問を解くとき、本番と同じ試験時間を設定してタイマーで計りましょう。「あと何分」という感覚を体で覚えることが大切です。
さらに効果的なのは、大問ごとの所要時間を記録することです。解き終わったら「大問1に15分、大問2に20分、大問3に12分かかった」と振り返る。これを何回か繰り返すと、「自分は記述に時間をかけすぎる傾向がある」といった弱点が見えてきます。
「飛ばす練習」をする
子供にとって意外と難しいのが、「わからない問題を飛ばす」判断です。真面目な子ほど、目の前の問題に最後まで取り組もうとします。
練習のときから「2分考えてわからなかったら次に行こう」というルールを作ってみてください。飛ばすことは逃げではなく、限られた時間の中で最大の点数を取るための戦略だと伝えてあげましょう。
まとめ
国語のテストで最後まで解ける子になるには、「全体を見る→知識問題を先に→大問ごとに時間配分」の基本戦略を身につけることが大切です。
時間配分は実力と同じくらい得点に影響します。過去問演習のたびにタイマーで計り、振り返る。この積み重ねで、「時間が足りなかった」は確実に減っていきます。
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