中学受験の国語で、最もよく目にする設問の形は何だと思いますか。
それは「傍線部について〜」で始まる問題です。
選択肢問題でも記述問題でも、設問の出発点はだいたい傍線部。だからこそ、傍線部問題の解き方を身につけることが、国語の得点アップに直結します。
この記事では、傍線部問題の基本的な攻略法を紹介します。子供が「なんとなく」で答えを書くのをやめ、根拠を持って解けるようになるための考え方です。
傍線部問題が入試で最も多い理由
中学入試の国語で、傍線部問題はなぜこれほど多いのでしょうか。
それは、傍線部問題が「文章のこの部分を正しく理解しているか」を問う、最も基本的な形式だからです。設問の作り手から見ると、確認したいポイントに線を引いて「ここをどう読むか」を聞くのが一番効率的なのです。
文章全体の理解を問う設問もありますが、入試の場合、限られた時間内で複数の論点を確認するために、傍線部を使った設問が中心になります。
つまり、傍線部問題の解き方を一つ身につければ、設問形式が選択肢でも記述でも応用が効くということです。逆に言えば、ここでつまずく子は、国語全体で苦戦することになります。
傍線部の答えは「すぐ近く」にある
子供が傍線部問題で間違える典型的なパターンは、傍線部だけを見て、その意味を想像で答えてしまうことです。
「彼はうつむいた」という傍線部があったとき、「なぜうつむいたんだろう?」を子供が頭の中で想像し、本文を見ずに「悲しかったから」と答える。これが一番よくある失敗です。
そうではなく、まず傍線部の前後を読み直すのが鉄則です。
文章は言葉のつながりで成り立っているので、傍線部の説明や根拠は、たいていすぐ近くに書かれています。「彼はうつむいた」の前の文に、何があったのか。何を言われたのか。何を見たのか。そこに答えのヒントがあります。
どこまで読み返せばいいか
範囲の目安は「同じ段落」です。
まず傍線部のある段落を最初から読み直します。それでも答えの根拠が見つからなければ、その前の段落まで広げます。
ほとんどの傍線部問題は、この範囲で答えが見つかります。逆に、文章全体を読み返さないと見つからない問題は、難関校レベルの応用問題です。基本の問題は、まず「近く」を丁寧に読むことが大事です。
傍線部の中にもヒントがある
実は、傍線部の周辺だけでなく、傍線部の中にもヒントがあります。
傍線部の中に指示語がある場合
「これは大きな問題だ」のように、傍線部の中に「これ」「それ」「あれ」といった指示語が含まれている場合、指示語が何を指しているかを問われている可能性が高いです。
子供には「指示語を見つけたら、必ず前を見て、何を指しているか確認しよう」と伝えます。これだけで正答率が上がります。
傍線部の中にキーワードがある場合
傍線部の中に特徴的な言葉(普段あまり使わない言葉、文章の中で繰り返し出てくる言葉など)がある場合、同じ言葉が本文の他の箇所にも出てくることがよくあります。
その箇所を探して読み直すと、傍線部の意味を理解する手がかりが見つかります。
傍線部の長さで読み返す範囲を変える
- 短い傍線部(一文の途中だけ):一文まるごとに広げて読み直す
- 長い傍線部(一文以上):段落全体を読み直す
短い傍線部だけを見ても、情報が足りなくて答えにたどり着けません。傍線部を含む一文全体を読むことが大事です。
「なぜ」と「どういうこと」で探す場所が変わる
設問の問い方によって、答えの根拠を探す場所が違います。
「なぜですか」と聞かれたら——理由を探す
「なぜ〜なのですか」と問われたら、答えになるのは理由です。
理由は、傍線部より前に書かれていることが多いです。「だから」「なぜなら」「というのは」といった接続詞を手がかりにすると見つけやすくなります。
物語文の場合は、登場人物の心情や、その前に起きたできごとが理由になっていることが多いです。
「どういうことですか」と聞かれたら——言い換えを探す
「どういうことですか」と問われたら、答えになるのは言い換えです。
傍線部と同じ意味のことが、別の言葉で本文のどこかに書かれているはずです。同じ段落、または前の段落に類似の表現がないか探します。
特に説明文・論説文では、「具体例」と「まとめ」のセットで書かれていることが多いので、傍線部が具体例ならまとめの部分を、まとめなら具体例の部分を見ると、言い換えが見つかります。
このパターンを知っているだけで、子供が「どこを見ればいいか」を迷わなくなる——これが大きな違いを生みます。
親ができるサポート——「根拠に線を引かせる」
家庭で子供の傍線部問題の練習を見るとき、親ができる一番効果的なサポートは、「根拠に線を引かせる」ことです。
子供が答えを書いたあと、「どこを根拠にしてその答えにしたの?」と聞きます。そして、その箇所に線を引いてもらいます。
線を引かせると何が変わるか
- 当てずっぽうの解答が減る
- 「なんとなく」ではなく「根拠を持って」答える習慣がつく
- 親も子供の思考プロセスがわかるので、間違いの原因を一緒に考えられる
線を引いた箇所が間違っていても叱らない
大事なのは、「正解か不正解か」ではなく「根拠を示せたかどうか」です。
線を引いた箇所が間違っていたら、「ここではないんだね、じゃあもう一度本文を見てみよう」と一緒に探します。これが本当の意味での読解練習になります。
何回か繰り返すうちに、子供は自然と「根拠を探しながら読む」ようになります。これが、傍線部問題を安定して解けるようになるための最短ルートです。
まとめ
- 中学入試の国語で最も多いのが傍線部問題。ここを攻略することが得点アップへの近道
- 傍線部の答えは「すぐ近く」にある。まず前後(同じ段落)を読み直すのが鉄則
- 傍線部の中にも指示語やキーワードのヒントがある
- 「なぜ」は理由を探す、「どういうこと」は言い換えを探す——問い方で探す場所が変わる
- 親ができる最大のサポートは「根拠に線を引かせる」こと
傍線部問題は、テクニックを知っているかどうかで差がつく分野です。一つひとつのルールはシンプルなので、家庭で練習する価値が大いにあります。
