記述答案の「型」——書く前に決めることで減点が減る


記述問題で「書けるようにはなった。でも点が伸びない」。そんな段階に入ったお子さんは多いのではないでしょうか。

白紙ではなくなった。何か書ける。でも満点にはならない。部分点で止まってしまう。

その原因の多くは、書いている内容が間違っているのではなく、書き方のクセにあります。

この記事では、記述問題の減点を防ぐための考え方と、書き始める前に「型」を決めるコツを紹介します。


目次

記述で減点される子に共通する3つのクセ

記述問題の答案を見ていると、点を落としている子には共通するクセがあります。

一文が長すぎる

一つの文に複数の内容を詰め込んでしまうパターンです。

「主人公は友達にひどいことを言われて悲しくなったけれど、最後には自分が間違っていたことに気づいて謝ろうと思った気持ち。」

このように一文に情報を盛り込みすぎると、何が言いたいのかが見えにくくなります。採点者にとっても読みにくく、要素が入っていても伝わらなければ加点されにくいのです。

迷ったら二文に分ける。これだけで読みやすさが大きく変わります。

主語がない、または主語と述語がズレている

「友達と遊んでいたが、けんかしてしまい、悲しかった。」

この文では「誰が」悲しかったのかが明確ではありません。記述では、主語を省略せずに書くことが基本です。

また、一文が長くなるほど、主語と述語がかみ合わなくなります。「主人公は〜が〜を〜で悲しかった。」のように、主語が「主人公は」なのに述語が対応していない答案は非常に多いです。

同じことを繰り返している

字数を埋めようとして、同じ内容を言い方を変えて繰り返してしまうパターンです。

「悲しくて辛い気持ちになり、悲しみでいっぱいになった。」

これでは要素が1つしかないのに字数だけ使ってしまいます。字数制限がある場合、繰り返しに使った分だけ、本来書くべき別の要素が入らなくなります。

これらのクセは、「文章力がない」のではなく、書く前の整理が足りないことが原因です。


書く前に「何を入れるか」を決める

記述問題で減点を防ぐ一番の方法は、いきなり書き始めないことです。

字数指定がヒントになる

字数指定が長いほど、答えに求められる要素は増えます。

字数指定を見たら、「要素が1つだけで足りるか、それとも複数必要か」を考える癖をつけましょう。

設問を分解する

例えば、「主人公が最後に笑顔になった理由を、友人との関係の変化を踏まえて書きなさい」という設問なら、求められている要素は2つです。

  • 主人公が笑顔になった理由
  • 友人との関係がどう変化したか

この2つが両方入っていなければ、どんなに上手く書いても満点にはなりません。

書き始める前に、答えに必要な要素を問題用紙の余白にメモする。これだけで、要素の漏れが大幅に減ります。


設問の問い方で「文末の形」を決める

もう一つ、書き始める前に決めておくことがあります。答えの文末の形です。

「なぜですか」→「〜だから」

理由を聞かれているので、文末は「〜だから。」「〜ため。」で終わります。

「どういうことですか」→「〜ということ」

言い換えを聞かれているので、文末は「〜ということ。」で終わります。

「気持ちを答えなさい」→「〜という気持ち」

心情を聞かれているので、文末は「〜という気持ち。」で終わります。

当たり前のようですが、これができていない答案は非常に多いです。「なぜですか」と聞かれているのに、理由ではなく状況の説明を書いてしまう。「気持ちを答えなさい」なのに、できごとだけを書いてしまう。

文末を先に決めてから書き始める。 この手順を身につけるだけで、設問に対して的外れな答えを書くリスクが大幅に下がります。


書いたら「口に出して読む」

答案を書き終わったら、声に出して読み直す(テスト本番なら心の中で読み直す)ことを習慣にしましょう。

不自然な文は音読で気づける

黙って見直しているだけだと、主語が抜けていることや、一文が長すぎることに意外と気づきません。でも声に出して読んでみると、文のリズムが崩れている箇所にはっきり気づけます。

「この文、声に出すと読みにくい」と感じたら、一文が長すぎるか、主語と述語がかみ合っていない可能性が高いです。

家庭で練習するとき

家で記述の練習をしている場面なら、実際に声に出して読ませるのが効果的です。

子供が書いた答案を子供自身に音読させると、自分で「あれ、おかしいな」と気づくことがよくあります。親が指摘するより、自分で気づくほうが定着します。


親ができる記述チェック——3つだけ確認する

記述問題の内容が正しいかどうかを判断するのは、親には難しいことが多いです。でも、形式的なチェックなら誰でもできます。

親が見るポイントは、次の3つだけです。

①設問の条件を満たしているか

字数制限を超えていないか、足りなすぎないか。「〜を踏まえて」という条件があるのに踏まえていないか。設問の条件を満たしていない答案は、それだけで大きな減点になります。

②主語と述語が対応しているか

文の最初と最後を見て、主語と述語がかみ合っているか確認します。一文が長い場合は、主語と述語を抜き出して並べてみるとわかりやすいです。

③本文の言葉を使っているか

記述問題の答えは、基本的に本文の言葉をもとに作ります。子供が自分の言葉で大きく言い換えてしまっている場合、本文に根拠がない答案だと判断されるリスクがあります。

キーワードは本文の言葉をそのまま使い、文の組み立てだけを設問に合わせて整えるのが安全です。

内容の正誤は模範解答と比較すれば確認できます。親が見るべきは、この3つの「形式面」だけで十分です。


まとめ

  • 記述で減点される原因の多くは、内容ではなく「書き方のクセ」にある
  • 一文を短くする、主語を省略しない、同じ内容を繰り返さない
  • 書く前に「必要な要素」と「文末の形」を決めてから書き始める
  • 書いたら声に出して読み直す。不自然な文は音読で気づける
  • 親の記述チェックは3つだけ:条件・主語述語・本文の言葉

記述問題は「書く量」より「書く前の準備」で差がつきます。型を身につければ、安定して点が取れるようになります。


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この記事を書いた人

東大理系学部卒。金融機関勤務。共働き、子供3人。
大学時代に中学受験国語の家庭教師を経験し、予備校の論理的読解メソッドを小学生向けに応用。
15年以上のブランクを経て、自分の子供の中学受験をきっかけに再び国語と向き合う。
ChatGPT・Claude・Geminiの有料プランを使い分け、記述添削や語彙学習にAIを活用中。「理系パパ × AI × 国語」の視点で、忙しい共働き家庭でも実践できる学習法を発信しています。

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