物語文の記述問題——文末の形と答えの根拠の探し方


物語文の記述問題で、子供の答案を見ていて「内容は悪くないのに点が伸びない」と感じたことはありませんか。

実は、物語文の記述で落とす点の多くは、内容そのものではなく「文末の形」と「答えの根拠」の2点に関係しています。このどちらも、参考書を何冊も読まなくても、家庭でのちょっとした声かけで改善できます。

この記事では、物語文の記述問題に取り組むときの、最低限押さえておきたい2つの基本ルールを整理します。


目次

文末の形は設問の問い方に合わせる

記述問題の採点でまず見られるのが、答えの文末が設問の問い方とそろっているかです。

これは国語の基本作法のようなもので、内容があっていても文末がずれていると減点の対象になります。物語文・説明文を問わず、すべての記述問題に共通するルールです。

主な対応は次のようになります。

設問の問い方 答えの文末
「どんな気持ちですか」 〜という気持ち。
「なぜですか」 〜だから。 / 〜のため。
「どういうことですか」 〜こと。
「どのような様子ですか」 〜(という)様子。

物語文で特に多いのは最初の「どんな気持ちですか」型です。この文末を外すと、内容が合っていても得点になりません。まずこのルールを徹底するだけで、答案の印象がかなり変わります。


「〜という気持ち」で終えるときの注意

気持ちを答える問題では、文末を「〜という気持ち。」でそろえるのが基本です。ただし、ここでよくあるのが文末だけそろえて中身がスカスカという答案です。

気持ちを表す言葉を入れる

文末に「気持ち」とつけるだけでなく、その前に感情を表す言葉が必要です。「うれしい気持ち」「くやしい気持ち」のように、何の気持ちなのかを明確に言い切ります。

「〜と感じた気持ち」「〜と思った気持ち」も可

子供が気持ちを言葉にしきれないとき、「〜と思った気持ち」のような書き方でも形式上は成立します。無理にひとつの感情語に絞れなくても、文末の形を守ることを優先させてあげてください。

文末を変えてしまわない

「〜したから」「〜だと思う」のように、気持ちを答える問いに対して違う文末で書いてしまう答案がよくあります。丸つけのときに、子供と一緒に「設問は何を聞いていた?」「文末は合ってる?」を確認するだけで、次から意識するようになります。


「なぜですか」に答えるときの基本

物語文で「なぜ」と問われたときも、文末は説明文と同じく「〜だから。」「〜のため。」でそろえます。

理由は本文に書いてある

「なぜ」と聞かれると、子供は自分の頭で考えようとしがちです。しかし、中学受験の国語で問われる「なぜ」の答えは、必ず本文のどこかに手がかりがあります

書かれていないことを想像で答えるのは、物語文でもっとも点を落としやすいパターンです。本文に戻って探す——これを習慣にするのが出発点になります。

自分の感覚で答えない

「自分ならこう感じる」「普通はこうだ」という答え方は、物語文では通用しません。出題者が求めているのは、その本文の登場人物がどう感じたかであって、読み手の感想ではありません。

ここは親の答え合わせの場面で何度も言い直してあげたいポイントです。


答えの根拠を本文に求める習慣

物語文の記述問題で伸び悩む子の多くに共通するのが、「なんとなく」で答えを書いてしまうクセです。根拠を本文に求める習慣がつくと、答案の安定感がまるで違ってきます。

答え合わせで「どこからそう思った?」と聞く

丸つけをするときに、一度だけ「本文のどこを見てそう答えた?」と聞いてみてください。子供が指で示せれば、その子は根拠を意識できています。示せなければ、本文に戻って確認します。

この一往復を何度か重ねるだけで、子供は「根拠は本文にある」という感覚を少しずつ身につけていきます。

間違えた問題は本文に戻って答え合わせ

間違えた問題を解き直すときは、解説を読むだけで終わらせず、本文のどこが答えの根拠だったかを子供と一緒に確認します。

正解の根拠が本文に示されている場所を子供が自分の目で見つけると、記憶の定着がまったく違います。

想像で書いた答案には線を引く

答案の中で「これは本文に書いてなかったよね?」という部分があったら、赤ペンで軽く印をつけます。これを続けていると、子供は書く前に「本文にあるか?」と自問するようになります。


家庭でのチェックポイント

親が記述の答え合わせに関わるとき、細かい採点よりも、次の2点だけに絞って見てあげると負担が減ります。

文末は設問とそろっているか

「どんな気持ち?」と聞かれて「〜だから」で終わっていないか。「なぜ?」と聞かれて「〜こと」で終わっていないか。この一点だけでも、子供のセルフチェック力が上がります。

本文に根拠があるか

「ここに書いてあった」と子供が指で示せるか。示せない答えは、そもそも根拠を意識できていないサインです。

この2点は、親が国語の内容をすべて把握していなくても見てあげられるポイントです。忙しいご家庭でも取り組みやすいはずです。


まとめ

  • 物語文の記述問題は、まず「文末の形」を設問の問い方にそろえる
  • 「どんな気持ちですか」は「〜という気持ち。」、「なぜですか」は「〜だから。」で終える
  • 答えの根拠は必ず本文にある。想像で書かない
  • 家庭では「文末は合ってる?」「本文のどこから?」の2つを聞くだけで十分効果がある

物語文の記述は、型を知っているかどうかで得点が大きく変わります。細かいテクニックより前に、まずは文末の形本文に根拠を求める姿勢——この2つを身につけることを目標にしてみてください。これだけでも、答案の見え方が少し変わってくるはずです。


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この記事を書いた人

東大理系学部卒。金融機関勤務。共働き、子供3人。
大学時代に中学受験国語の家庭教師を経験し、予備校の論理的読解メソッドを小学生向けに応用。
15年以上のブランクを経て、自分の子供の中学受験をきっかけに再び国語と向き合う。
ChatGPT・Claude・Geminiの有料プランを使い分け、記述添削や語彙学習にAIを活用中。「理系パパ × AI × 国語」の視点で、忙しい共働き家庭でも実践できる学習法を発信しています。

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