🕒 約5分で読めます
塾から「家で記述の丸つけもお願いします」と言われたものの、模範解答と子供の答えを見比べて、○なのか×なのか△なのか迷う——そんな経験のあるご家庭は多いのではないでしょうか。
しかも、見る人によって厳しかったり基準があいまいだったりと、家庭の中で採点がそろわず、子供が戸惑ってしまうこともあるようです。
記述の答えがどう作られるか(部分点や要素の考え方)は記述問題ステップアップ(記事25)で触れているので、今回はその一歩手前、「親が採点するときに、どこを見ればいいか」という採点の目線に絞ってお伝えします。
なぜ親の採点は「×」が多くなりやすいのか
家庭で採点が厳しくなりがちなのは、無意識のうちに模範解答との完全一致を求めてしまうからのようです。模範解答と言葉づかいが違うだけで「違う」と感じ、減点する方向で見てしまう。
けれども、記述の採点は「模範解答と同じか」を見る引き算ではなく、「書くべき要素に触れているかを数える」足し算に近いと言われています。この見方に切り替えるだけで、家庭の採点はだいぶ変わってくるかもしれません。
以下、親が見るときの目線を3つに整理します。
目線①:完全一致を求めない(言い換えを認める)
模範解答が「不安な気持ち」となっていて、子供が「心配な気持ち」と書いていたら、どうつけますか。
意味がほぼ同じなら、これは×にしなくてよい場合が多いようです。記述で見られているのは言葉そのものの一致ではなく、聞かれている内容に触れているかだからです。
たとえば、模範解答が「友達に裏切られて悲しい気持ち」で、子供の答えが「友達に嘘をつかれてつらい気持ち」だったとします。表現は違いますが、「友達との出来事」と「マイナスの感情」という要素は押さえられています。こうしたとき、言い換えとして認めてあげると、子供の「書いてみよう」という気持ちが続きやすくなります。
目線②:父母で採点の基準をそろえる
同じ答案でも、見る人によって○になったり×になったりすると、子供は何を直せばいいのか分からなくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、家庭で「ここだけ見る」という観点を先に決めておくことです。たとえば、
- 設問が聞いている要素に触れているか
- 文末が設問に合っているか(「なぜ」なら「〜から」、「どういうこと」なら「〜こと」)
この2点だけにしぼって、お父さんもお母さんも同じ目線で見る。観点をそろえておくと、採点がブレにくくなり、子供も安心して直せるようになります。
目線③:やる気を削がない採点にする
採点というと、つい「できていないところ」に赤を入れたくなりますが、×ばかりが並ぶと、子供は記述そのものを避けるようになってしまうかもしれません。
順番を変えて、まず「ここは取れているね」と書けている要素を先に伝え、足りない点は1つだけにしぼって渡す。こうすると、子供は「あと少し」と感じられて、次に手が動きやすくなるようです。
採点は子供を判定するためではなく、次に伸ばすための補助線だと考えると、見るときの気持ちも少し軽くなります。
それでも迷ったら
細かい判定にどうしても迷うときは、無理に完璧な採点者になろうとしなくて大丈夫です。家庭では「要素に触れているか」「文末が合っているか」の2点が見られていれば、十分に役割を果たしています。最終的な細かい採点は、塾や模試にゆだねればよいのです。
なお、採点のたたき台づくりをAIに手伝ってもらう方法もあります(ChatGPTで記述を添削する(記事31))。その場合も、最後に見て判断するのは親、という点は変わりません。
まとめ
家庭での記述採点は、模範解答との完全一致を求めるのではなく、書くべき要素に触れているかを数える「加点法」の目線で見ると、塾の採点と大きくズレにくくなります。
- 言い換えを認める(完全一致を求めない)
- 父母で見る観点をそろえる
- できているところを先に伝える
この3つを意識するだけで、採点が子供のやる気をくじくものではなく、伸ばすための時間に変わっていくように思います。
あわせて読みたい
– 記述問題ステップアップ——部分点を取る書き方(記事25)
– ChatGPTで記述問題を添削する——コピペで使えるプロンプト例つき(記事31)
– 記述問題が書けない子への処方箋——白紙をなくすステップ(記事09)
