「偏差値と総合点だけ見て終わり」になっていないか
中学受験の模試が返ってきたとき、偏差値と総合点だけ確認して、成績表を引き出しにしまっている。そんな場面はないでしょうか。
国語の成績表には設問タイプごとの正答率、大問ごとの得点率、複数回の推移など、本当はもっと細かい情報が詰まっているようです。ただし手作業で読み解いて「次に何をすべきか」を引き出すには、時間と国語の指導感覚が必要になります。
ここで ChatGPT のような生成AIが助けになる場面があります。ただし 個人情報のマスキング と AIの分析を鵜呑みにしない親の突き合わせ作業 が欠かせないと考えられます。成績表そのものの読み方は 模試の成績表、親はどこを見るべきか で扱っているので、本記事は AI で分析する発展編としてまとめます。
手順①「個人情報マスキング」——AIに渡す前の必須ステップ
成績表をそのまま AI に貼り付けるのは避けたほうがよさそうです。氏名・学校名・受験番号・クラス名などが記載されているからです。所要5分の手順は次の通りです。
- 成績表をスクショまたはPDF化
- 氏名・学校名・受験番号・クラス名を画像編集アプリで塗りつぶす
- 国語の科目データだけを切り出す(他教科は AI に渡さない)
AI に渡すのは「学年・設問別正答率・大問別得点率・記述部分点の有無」など、個人を特定できないデータのみにとどめるのが安全と考えられます。
プロンプト①「設問タイプ別の正答率を可視化」
以下は中学受験模試の国語の成績データです。設問タイプ別に正答率を整理し、
「正答率60%以上で落とした問題」「正答率20%以下の難問」「中間の問題」
の3グループに分類してください。各グループで優先順位と理由を1行で添えて。
【成績データ】(マスキング済データを貼る)
「正答率60%以上を落としていないか」は記事11でも触れた基本ポイントですが、AI に整理させると一覧で見やすくなる利点があるかもしれません。
プロンプト②「3回分の推移から弱点パターンを抽出」
以下は過去3回の中学受験模試(国語)の成績データです。
3回を通して見える「安定して取れている分野」「点数がブレやすい分野」
「毎回落としている分野」に分けて整理してください。
ブレの原因として考えられる仮説も1〜2個添えて。
【3回分の成績データ】(マスキング済データを貼る)
国語は文章との相性で点数がブレやすい教科のようです。1回の結果では判断しにくい傾向も、3回分を並べると見えてくる場面がありそうです。
プロンプト③「次回模試までの優先対策3つを提案」
以下の弱点分析結果をもとに、次回の模試(約1か月後)までに
家庭で取り組める対策を3つ提案してください。
各対策について:
- 具体的な取り組み内容
- 1日あたりの所要時間
- 効果が出るまでの目安期間
【弱点分析結果】(プロンプト①②の出力を貼る)
提案を全て実行しようとせず、親が「家庭でできる」「塾任せでよい」と取捨選択するのが現実的かもしれません。
AI分析は「仮説」——親の突き合わせ作業
AI が出してくる分析結果はあくまで 仮説 と考えたほうが安全です。AI は学習データのパターンから推測しているだけで、本人の体調・問題との相性・たまたまの読み違いといったデータに表れない要素を拾えないからです。
そのため、AI 分析を次の3つの材料と突き合わせる作業が欠かせないように感じます。
- 過去問の傾向:志望校で出題されるタイプと AI 指摘の弱点が重なるか
- 子供の自己評価:本人は「どこで点を落とした感覚」を持っているか
- 塾の所感:塾の先生が同じ点を指摘しているか
3つの材料と AI 分析を並べて、共通して指摘される点を「本当の弱点」とみなす。1つの材料からしか出てこない指摘はいったん保留にする姿勢が安全かもしれません。突き合わせに20分程度はかかりますが、この時間が「優先順位を間違えずに対策する」精度につながると考えられます。
月1ルーティン化と時間捻出
成績表分析は毎日続けるものではなく、模試が返ってくる 月1回程度のスポット作業 です。継続のコツは「忘れないうちにまとめてやる」ことかもしれません。
- 模試返却日の夜にカレンダー固定:35分の集中タイムを独立した時間として確保
- マスキング5分 + プロンプト①〜③で10分 + 親の突き合わせ20分 = 約35分を1セット
- 対策3つはホワイトボードや冷蔵庫に貼り出し、家族で共有
3つのプロンプトをスマホのメモにテンプレ保存しておくと、月1回の作業時間がさらに短縮できる場面もありそうです。
まとめ
模試の成績表は、偏差値と総合点だけで判断するには情報量が多すぎるようです。AI で設問タイプ別の整理・推移の抽出・対策提案までは効率化できますが、最終的な「本当の弱点」の見極めは、過去問・本人の自己評価・塾の所感と突き合わせる親の役割と考えられます。月1回35分のルーティンが定着すれば、模試のたびに「次に何をすべきか」が見えやすくなるかもしれません。
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